春山対信長 8月3日更新

張角が雲に乗り
阿君と穏やかに
世間話をしていると

先程、春山と別れた
禅ダムが仙人達の
前に現れた。

「おや、張角さま。
この方は何方か?」

張角は
髭をツマミながら
微笑むと、
後輩仙人の
セイメイに
目の前の男を
紹介した。

「おお、阿君よ。
彼は我の友人、
元禅僧の若い行者
安室君じゃ」

安室君は深く
頭を下げる。

時間も在りませぬゆえ、
早速、力試しを所望する!
と言うが早いが

阿君の後ろに控える
百体の雷神たちを

金色白光の
雷撃が襲い

阿君眷族の雷神たちは
跡形も無く灰になった。

「おや、張角さま。
今始め奉るとも
宜しかろうか?」


「うむ、よろしい」


その声を聞くと

阿君は九字を切り、
さらに鬼字を書いた
一万二千枚の
呪符を袖から
投げ打つ

「摩訶迦羅」

前後の空間に
薄い紙が舞い踊り
阿君の背後に集まると
巨大な黒い護法神が
姿を現した。

「おやおや、若僧。
吾が泰山府君のみを
この国に勧請したとでも
想うておりましたか?
それは、それは
浅はかなりし人のさが。
占事略决程度の
占いで喜んでおった
陰陽寮の丁稚達も
愚かしゅうてならぬが、
折角書いた夢占とても、
帳面通り式に敷くさって
逆の働きも考えぬから
陰陽道も法力も
衰えるのだ若僧。
血気に逸り易も棄て、
世の時代という
無益な架空の領域で
悪龍が暴れておるよ、
時は戦国下克上
己に克てもせず
下が上に来るそうな。
下も上も等しく迷妄。
天地人とは
如何なるモノか
世の時代には
知る者も無く
真に以て
片腹痛きことよ
其処の血気盛んな
元禅僧よ。
この気持ち解るかえ?
智妙法居人不日と説く
汝自身を修めるべし」

暗黒の護法神が
巨大な眼で安室君を
睨みつけると

流石の禅ダムも
蛇に睨まれた
蛙の様に焦り
額から脂汗を流す

「おのれっ」

漆黒の巨大な腕が
禅ダムの小さな体に
振り下ろされると同時に
阿君は静かに囁いた。

「天狗増長慢、やり直せ」

ゴシャ

鈍い音と共に
禅ダムは
元来た方向に
吹き飛ばされてしまった。


テントで結界を張って
スヤスヤと眠っていた
春山信玄の横を
擦り抜けた安室君が
見事、地面に埋没する。

その衝撃音が凄くて
流石に眼を覚ました
春山は寝転がりながら
眠そうに呟いた

「飛んできて埋まる。
ギャグの基本にして
真に奥が深い。
これは名人芸の
領域に到達したかも
知れないよ安室君」

禅ダムは逆さまに
地面に刺さったままで
春山信玄に叫ぶ

「ダメでした先輩っ、
冗談が
通じない相手が
迫って来ます!
私では敵いませぬ
後は任せます」

春山は地面に
刺さりながら話すなんて
随分器用な人だ。
爪先は喋らないから
ああ、別のドコかで
喋ってるのかと
視線を下げて見たら
嫌な考えが
想いついたので
頭を振って掻き消した。

そして、二度寝をしようと
ゴロゴロした後に

気がついたように
驚愕の表情で叫んだ。

「無理だからって、
人に任せないでよ!
責任感の欠如だ」

そう言いながら、
杖を振り回して
結界を張ると
春山の姿が肉眼では
見えなくなった。

「待って下さい、先輩。
姿が見えません
何処に居るのですか」

「その状態でね、
普通に見えるものが
見えないとか言うのって
少しアレだよね。
それだけ元気があれば
君は平気だよ。
二回戦も頑張ってちょ」

そう言うと気配を
完全に消して

木の陰に隠れて
阿君が飽きるか
禅ダムが勝つか
とにかく、騒ぎが
沈静化するまで。

春山信玄は、
自分に優しい
紳士な眼差しで
勝負の行く末を
見守る事にした。

「がーんばれ、安室君」

(阿君に御菓子一袋賭けるわ)

少し精霊を練って
何となく空気にしたら
出来たタイプの
ケイトちゃんは

菓子が欲しいという理由で
勝率の高い
アベノセイメイに賭けた。

「じゃあ、禅ダムと
僕の連合チームに
御菓子一年分!」

春山信玄は
面白そうなので、
勢いに任せて
適当に言ってみた。

(どちらにしても、
食べる人は同じだけど)

「まあ結局、詰る所は
世の中のモノは全部、
陰陽の合一と
衝突消滅の後の
陰陽生成が
細かい時間に
起こっていて
相互の位置と
空間と時間を越えて
規則的に右往左往する
反射の位置と
バリエーションの違いで
残念ながら
一回的な法則性も在る。
筋書きが分ってる
人もいるけど
特にやるコトも無いから
語り部になってるだけ。
今踏んでる地面も僕も
材料は同じかもね。
恐れ入谷のクラッカー
霞の如く生きるのが
身上の仙人に、
勝ち負けも何も
在るものか。
だから、木の陰に
隠れているの
めんどくさいのが嫌とか
そういうアレじゃないの」

(言い訳はイイから
セイメイが勝ったら。
高級チョコ、一年分ね)


春山は、墓穴を掘った。
テーマ: 自作連載小説 -  ジャンル: 小説・文学
by 護睡庵(春山信玄)  at 00:50 |  春山対信長 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑

「処世術」

魔法幻想詩

『マギステル・マグスの手記』

ダイヤ、クローバー、
スペード、ジョーカー
その全てを一撃の下に
踏み潰すことは
誰にでも可能である。

しかし、一つだけ

注意を与える
必要が在る

一日一週一月一年中
この世界の劇場に
微笑みながら
手に手をとって、
私を招待してくれる

優しいハートの
キングとクイーン

彼と彼女は法術の庇護者

誰しも逆らう理由は無く、
逆らうモノは智慧在れど
無法にして無恥

それを知らぬ存在は無いが
言葉の波は氾濫し
もしも、忘れて
捨て去るならば

其処で魔法使いの
人生は終わるだろう

魔法も智慧も石もダイヤも
然したる苦も無く燃え尽きる

魔法の言葉に疲れ果て
日毎、劇場に足を運ぶ観客

それは、何か?

魔法の言葉に想いを込めて
日毎、舞台に立つ役者

それは、何か?

巡り廻る舞台に咲く
喜怒哀楽の色彩。

風達が煌びやかな
色彩を反射させて

激しく優しく
過去と時空の
物語を歌い続ける。

ヒトの世過ぎても、

素知らぬ顔

ヒトつの舞台、

ヒトつの思考

その泡に遷る宮殿は
儚き故に美しく、
限り無き月の都

虹色の泡の中、
薫る料理を共に食べ
杯を酌み交わす時、
ハートの国の
統治者達は微笑む


探究する心と
夢観る力が在るならば

親しみ深い眼差しを前に、

大団円を迎える。

美しい踊り子が
愛嬌を振りまく

道化師、王族、騎士、詩人
馬に羊に木に岩も挨拶をして
去ってゆく

悲劇の舞台を終えた女優

舞台が終わると

心から涙を流し
座り込んでしまう

観客も思わず

同じ種類の涙を流した


慌てて舞台の端から
現れたのは

悲劇の原因
怒る老紳士、


芝居の中、
観客が受けた印象とは
正反対の表情をして

優しく女性を立たせると

二人一緒に別れの挨拶

最後の最後に深い御辞儀。

天井に向け大きく

腕を広げる、

客席から

鳴り響くアンコール。


魔法と言葉の取り扱い注意事項、

「ハートの用意した舞台を楽しむ事」

これ以外に適確に表す適切な言葉を
今日は、思いつかない。

とにかく、
古代魔法の破壊の杖や
幻影の糸で創られた
理屈が好きでお喋りな、
帽子達の出る幕は無い。

帽子が無ければ
劇場で無駄に喋ることも在るまい

好きな役者の舞台なら

感動して沈黙して
観ている方が楽しいでしょう。

そして、究極に言えば

役者も観客も舞台も
結局は並列的な
何かである

それは、何か?

言葉で言えば解るのか。

幻影の糸で創られた
理屈が好きでお喋りな、
帽子達の出る幕は無い。
テーマ: 詩・想 -  ジャンル: 小説・文学
by 護睡庵(春山信玄)  at 19:34 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑

春山対信長 7月30日

「ねえ、安室君。
京劇みたいな
音がしない?」

作戦の準備をしていると
不意に遠くから
太鼓や笛の響きが
聞こえてきたので
春山信玄と安室君が
遥か遠方の空を見上げると

黒雲の中から迫り来る
百体以上もの雷神が
独特のリズムの
太鼓を打ち鳴らしていた。

段々と、こちらに近づいてくる、

ダンドッドッド、ダンドッドッド

バララーン

「あー、しまった。
最強ランクの
仙人になってる。
テーマ曲作って
眷族に演奏させるてるよ。
僕が何やっても効果ない。
プランBに変更、
安室君、歓喜結界杖出して」

禅ダムは脳内の設計図を
基にして瞬時に空気から
一つの杖を練り上げて
春山に手渡した。

「先輩、結界を
張るつもりですね。
私は如何しますか?」

春山は笑顔で答えた。

「僕自身の周りと、
ここら辺の
五十キロメートルに
結界張るからさ。
全力で相手をするの、
君ならできると信じてる。
だって、禅ダムだもの」


安室君は爽やかな微笑を
顔に浮かべて肯く。

「この体になって
初めて全力が出せます。
実は少し楽しみです…
ただし、相手がどうなっても
知りませんよ先輩」

春山信玄に
そう、言い放つと

渾沌氏が作った
最強ロボ禅ダムは

強靭な脚から
紫色の火炎を
地面に放つ

その体が浮き上がると
春山の視界に
残像を残し

一人、雷神犇く
暗黒の雲へ向かい
飛び立って往った。


「がんばれ、闘え
僕らの禅ダム!
地球の平和を頼んだぞ」


春山信玄は爽やかに
手を振ると
テントと
周辺の山辺りに
適当に結界を張って
グッスリと寝ることにした。


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by 護睡庵(春山信玄)  at 21:16 |  春山対信長 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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護睡庵(春山信玄)

Author:護睡庵(春山信玄)
魔法仙人協会
(定員1名)
最高無責任者
護睡庵不動駘蕩春山
別名 春山信玄☆

ちょっくら大変な世の中を
空想のファンタジックな
感覚でとらえてみて
普段のなんでもないような
生活を新鮮な気持ちで
どの程度楽しめるのかな
というブログです☆

現実にいる人物とは
一切、関係ありません。
フィクションブログです☆

職業 主夫 件 アルバイト
 
哲学者もどき


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「時間の経過を楽しむ」

趣味 絵、音、読書、散歩、
食事、睡眠、お茶、その他

健康生活指針
楽観空想現実主義☆

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