2007/11/12
王女ミリアムの冒険
第一話
魔術大国
アイゼンガルドの王女
ミリアム・ライゼンバッハは
次の女王になるための
厳しい教育を受けるのが
イヤなので、
近くの森で
シュークリームを食べながら
村の子供たちと
楽しく遊んでいました。
もう十日も
戻っていないので、
お菓子も無くなるし
子供たちも疲れて
グッタリして
楽しくないから
そろそろ
帰ってやるかと思い、
森を駆け抜けて
砂の多い
野原をスキップして
行きました。
お城が近くなると、
やたらと人が
倒れています。
(ああ、人間ドミノでも
失敗したんだな)
スキップで城に向かいます。
少し進むと今度は
城が燃えています。
「あ、謀反だ。
大臣かなヤッパリ…」
城門が開き、中から
大臣が出て来て
王女に言いました。
「王女さま、
お逃げ下さい!
幻術士ボルザイが
城に侵入しました。
わ、私はもうだめです…
せめて、あなただけでも、
王家の血を決して
絶やしては、なりませぬ…
三叉路の魔女に
使いを出しました、
連絡が、
来るまで
隠れていて、く…」
炎に照らされた
蒼い断末魔の表情が
一瞬のうちに
消え失せると
大臣は血を吐き、
前のめりに頭から
硬い土の地面に
倒れ伏しました
「ほら見なさい、
大臣はいい奴
だったじゃない」
ミリアムはダッシュで
逃げる途中に
森にいる子供たちの事を
思い浮かべて呟きました。
「心配だけれど、
しょうがない。
自分の事は
自分でやるのが、
この国の掟だから!
たった今、
王女が決めました!」
その逃げ足の
速いことは、
まるで滑空する
燕のようでした。
歩いて2日の
距離を半日で走破して
魔女の宮殿に着きました。
「ヘカテさま居ますか?
三叉路の魔女様!」
王女が元気良く
扉を叩くと
遠くから鈴の音の低く
響くような声が
聞こえてきました。
「また、アホが来たわ…」
第二話
輝ける闇の魔女ヘカテは、
ミリアムの顔を眺めて訊ねます。
「愚かなる王女さまが、
また何の用で来ちゃったの?」
ミリアムは怒った顔をすると
言い放ちました。
「ふっはっは、
愚か者はアナタよ、
大臣の使いから
話は聞いているハズ。
スッとぼけないでよ!」
静まり返った
宮殿の広間が
怒りによる、赤い沈黙で
満たされたのでした。
すると、ミリアムの背後から
走ってくるマヌケの声が
聞こえてきます。
「ヘカテさま、
アイゼンガルドは
もうダメです…。
大臣からの伝言を、
読み上げます!
この身をもって
逢えぬのが
私には最も辛い、さようなら。
姫の保護を
お願いします最愛の人…」
ヘカテは優しく微笑むと
言いました。
「ありがとう、思い出にします」
しばらくしてから
ミリアムの方に向きなおり、
冷たく慰めるように言います。
「あなたが先に来て、
どうするの?」
第三話
「だいたい、何で城が
焼かれなきゃならないの?」
納得のいかないミリアムは
怒って詰め寄りました。
ヘカテは冷たい眼で
睨み返すと
質問に答えを与えます
「愚かな
人間の王が
デルタロークの作った
風の塔を
雷の魔術で
破壊したでしょう」
ミリアムは
斜め左上を見上げて
色々、思い出したけれど
全て、シュークリームが
美味しかったという事に
かき消されてしまいました。
「何それ…。
私、知らないですケド」
詳しく話を聞いてみると、
疫病を風の魔法で
世界の外側へ
飛ばすための
魔導装置を
アイゼンガルド王が
破壊してしまったコトが
城が襲われて
王と国民が絶命した事の
原因だというコトでした。
「ナルホド、
それなら
しょうがない…、
納得してスッキリした」
「はぁ…、
その一言で
片付けちゃうのね」
あきれ果てた、ヘカテは
ミリアムに語りかけます。
「あなた、ひとりで…
これからどうするの?」
ミリアムは
笑顔で答えました
「しばらくホトボリが
さめるまで
ここで、お茶とか
お菓子を食べて
楽しく暮らします、
えへへへ…」
ヘカテは顔面蒼白に
なりながら
呟いた。
「凄い、イヤなのですけれど
あの人の
最後の頼みですから
ホントに
不本意ですが、
こうなるのはもう、
仕方が無いのでしょうね…」
第四話
それから、1年の歳月が過ぎても
ミリアムはヘカテの所で
のんびりと、お茶を飲んでいました。
ヘカテも完全に慣れてしまい
不服ながらも楽しく暮らしている
自分に少し腹が立つ程度の感覚でした。
そんな平和な、ある日のティータイム。
アイゼンガルドの生き残りと称する
弱そうな生物達が、
ミリアムを祭りあげて
金持になろうと
大人数で、おしかけて来ました。
「是非とも姫様、我等と共に
魔法王国の復活を…」
愚かな弱小偽兵士を観ると
ヘカテは…
吹雪のように冷徹な眼で
嗤います。
何も聞いていない、ミリアムが
お茶を飲みながら
お菓子に手を伸ばした所、
なぜか意味も礼儀も無く
腕を、つかまれました。
自分の白い手に
キスでもされたら
気持ち悪いと思い
適当に鼻とかに
打撃を加えて
無礼男の手を
振り解きます。
面白くも無い
慇懃無礼な下手演技を
見せつけられて
至極無礼な態度で
くだらない要求をしてきたので
さすがのミリアムも
オコッテ、思わず、
軽い悪口を言ってしまいました。
「王女に対して…
その態度か、ゲス共め」
ミリアムの口の悪さに怒った
弱小自称戦士達は、
こうるさく騒ぎ始めます。
「ウルサイ、
灰は灰に還れ!」
ボシュ…
一瞬で自称最低弱小暴力兵士たちは
灰になってしまいました。
ヘカテは楽しそうに
拍手をすると
ミリアムの頭を撫でながら
言いました。
「よく出来ました。
世の中には、こういう
勘違いの人が沢山いて
みんな困っているのよ」
「観ていて腹が立つから
私の教えた魔法で
暇つぶしに退治する
旅にでも出ると
すっごい面白いわよ…」
それを聞いたミリアムは
眼を輝かせて答えました。
「おもしろそう!
明日出発しよう。
早速高速で準備しないと…」
ミリアムが部屋に駆けて行くと
ヘカテは椅子に腰をおろし…
一息入れてから、嬉しそうに
つぶやきます。
「やったぁ…」
魔術大国
アイゼンガルドの王女
ミリアム・ライゼンバッハは
次の女王になるための
厳しい教育を受けるのが
イヤなので、
近くの森で
シュークリームを食べながら
村の子供たちと
楽しく遊んでいました。
もう十日も
戻っていないので、
お菓子も無くなるし
子供たちも疲れて
グッタリして
楽しくないから
そろそろ
帰ってやるかと思い、
森を駆け抜けて
砂の多い
野原をスキップして
行きました。
お城が近くなると、
やたらと人が
倒れています。
(ああ、人間ドミノでも
失敗したんだな)
スキップで城に向かいます。
少し進むと今度は
城が燃えています。
「あ、謀反だ。
大臣かなヤッパリ…」
城門が開き、中から
大臣が出て来て
王女に言いました。
「王女さま、
お逃げ下さい!
幻術士ボルザイが
城に侵入しました。
わ、私はもうだめです…
せめて、あなただけでも、
王家の血を決して
絶やしては、なりませぬ…
三叉路の魔女に
使いを出しました、
連絡が、
来るまで
隠れていて、く…」
炎に照らされた
蒼い断末魔の表情が
一瞬のうちに
消え失せると
大臣は血を吐き、
前のめりに頭から
硬い土の地面に
倒れ伏しました
「ほら見なさい、
大臣はいい奴
だったじゃない」
ミリアムはダッシュで
逃げる途中に
森にいる子供たちの事を
思い浮かべて呟きました。
「心配だけれど、
しょうがない。
自分の事は
自分でやるのが、
この国の掟だから!
たった今、
王女が決めました!」
その逃げ足の
速いことは、
まるで滑空する
燕のようでした。
歩いて2日の
距離を半日で走破して
魔女の宮殿に着きました。
「ヘカテさま居ますか?
三叉路の魔女様!」
王女が元気良く
扉を叩くと
遠くから鈴の音の低く
響くような声が
聞こえてきました。
「また、アホが来たわ…」
第二話
輝ける闇の魔女ヘカテは、
ミリアムの顔を眺めて訊ねます。
「愚かなる王女さまが、
また何の用で来ちゃったの?」
ミリアムは怒った顔をすると
言い放ちました。
「ふっはっは、
愚か者はアナタよ、
大臣の使いから
話は聞いているハズ。
スッとぼけないでよ!」
静まり返った
宮殿の広間が
怒りによる、赤い沈黙で
満たされたのでした。
すると、ミリアムの背後から
走ってくるマヌケの声が
聞こえてきます。
「ヘカテさま、
アイゼンガルドは
もうダメです…。
大臣からの伝言を、
読み上げます!
この身をもって
逢えぬのが
私には最も辛い、さようなら。
姫の保護を
お願いします最愛の人…」
ヘカテは優しく微笑むと
言いました。
「ありがとう、思い出にします」
しばらくしてから
ミリアムの方に向きなおり、
冷たく慰めるように言います。
「あなたが先に来て、
どうするの?」
第三話
「だいたい、何で城が
焼かれなきゃならないの?」
納得のいかないミリアムは
怒って詰め寄りました。
ヘカテは冷たい眼で
睨み返すと
質問に答えを与えます
「愚かな
人間の王が
デルタロークの作った
風の塔を
雷の魔術で
破壊したでしょう」
ミリアムは
斜め左上を見上げて
色々、思い出したけれど
全て、シュークリームが
美味しかったという事に
かき消されてしまいました。
「何それ…。
私、知らないですケド」
詳しく話を聞いてみると、
疫病を風の魔法で
世界の外側へ
飛ばすための
魔導装置を
アイゼンガルド王が
破壊してしまったコトが
城が襲われて
王と国民が絶命した事の
原因だというコトでした。
「ナルホド、
それなら
しょうがない…、
納得してスッキリした」
「はぁ…、
その一言で
片付けちゃうのね」
あきれ果てた、ヘカテは
ミリアムに語りかけます。
「あなた、ひとりで…
これからどうするの?」
ミリアムは
笑顔で答えました
「しばらくホトボリが
さめるまで
ここで、お茶とか
お菓子を食べて
楽しく暮らします、
えへへへ…」
ヘカテは顔面蒼白に
なりながら
呟いた。
「凄い、イヤなのですけれど
あの人の
最後の頼みですから
ホントに
不本意ですが、
こうなるのはもう、
仕方が無いのでしょうね…」
第四話
それから、1年の歳月が過ぎても
ミリアムはヘカテの所で
のんびりと、お茶を飲んでいました。
ヘカテも完全に慣れてしまい
不服ながらも楽しく暮らしている
自分に少し腹が立つ程度の感覚でした。
そんな平和な、ある日のティータイム。
アイゼンガルドの生き残りと称する
弱そうな生物達が、
ミリアムを祭りあげて
金持になろうと
大人数で、おしかけて来ました。
「是非とも姫様、我等と共に
魔法王国の復活を…」
愚かな弱小偽兵士を観ると
ヘカテは…
吹雪のように冷徹な眼で
嗤います。
何も聞いていない、ミリアムが
お茶を飲みながら
お菓子に手を伸ばした所、
なぜか意味も礼儀も無く
腕を、つかまれました。
自分の白い手に
キスでもされたら
気持ち悪いと思い
適当に鼻とかに
打撃を加えて
無礼男の手を
振り解きます。
面白くも無い
慇懃無礼な下手演技を
見せつけられて
至極無礼な態度で
くだらない要求をしてきたので
さすがのミリアムも
オコッテ、思わず、
軽い悪口を言ってしまいました。
「王女に対して…
その態度か、ゲス共め」
ミリアムの口の悪さに怒った
弱小自称戦士達は、
こうるさく騒ぎ始めます。
「ウルサイ、
灰は灰に還れ!」
ボシュ…
一瞬で自称最低弱小暴力兵士たちは
灰になってしまいました。
ヘカテは楽しそうに
拍手をすると
ミリアムの頭を撫でながら
言いました。
「よく出来ました。
世の中には、こういう
勘違いの人が沢山いて
みんな困っているのよ」
「観ていて腹が立つから
私の教えた魔法で
暇つぶしに退治する
旅にでも出ると
すっごい面白いわよ…」
それを聞いたミリアムは
眼を輝かせて答えました。
「おもしろそう!
明日出発しよう。
早速高速で準備しないと…」
ミリアムが部屋に駆けて行くと
ヘカテは椅子に腰をおろし…
一息入れてから、嬉しそうに
つぶやきます。
「やったぁ…」




