宇宙バイキング博士 つづき


プロフェッサーは
宇宙服も着ずに甲板に出ると、
肩に担いでいたケースから
ビール瓶を四本取り出した。

「ハイランド、状況を報告してくれ」

(プロフェッサー、敵艦隊マデノ距離ハ
 600キロメートル、敵艦ノ動力ハ
 中央に在ル母艦ガ供給シテイマス)

プロフェッサーの脳内に埋め込まれた
究極演算装置が、そう伝えると

彼は自分の体に内蔵された
動力増幅装置を
3パーセントだけ稼動させた。
これにより腕力が
少しだけ補強されるのである。

戦艦ドゥルガーの完成と共に
彼は体の全てを
兵器として創り直している。

つまり彼自身が
究極戦艦と同じ程度の
破壊力を持った
究極兵器なのだ。


プロフェッサーは、
ビール瓶を掴み
敵艦隊の中心に向って
投げつけた。

投げた瞬間に
ビール瓶が

凄まじい重力波と共に
砕け散る

その6秒後

時空が歪むほどの衝撃が

敵艦隊の中心部を襲った

小さな爆発の後

蒼い光が内側に
引き込まれている光景が
遠くに見えた

母艦の動力源
ブラックホールエンジンが
重力崩壊を起こしたのだ。

「ハイランド、危険だ。
 アレを何処かに飛ばせ」

(了解、他ノ遠イ銀河系ニ
 転送シマス)

ブラックホールの出来損ないが
他の場所に転送されると
システムインターフェイスの
ハイランドは言った。

(プロフェッサー、
 最初カラ転送スレバ
 ヨカッタノデハ?)

「いや、これでいい。
 ストレス解消になったからな、
 人間には無駄を楽しむ
 心というモノがあるのだよ
 分るかね?」

(機械ノワタシニハ
 ワカリマセン…)



つづく







by 護睡庵(春山信玄)  at 19:22 |  連載 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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