2008/05/26
空想神話 「隠阿伝」
遥か世界の東の果ての
悠久、まほろばなりし地に、
不死の阿様山大王という仙人が居りました。
山の頂で、いつも通り
昼寝をしていると
かわいい女の子が
声をかけてきました。
「貴方様が阿様でございますか?
わたくしは此処で、
とある役目を果たさねばならないのです。
無理にとは申しません。
ただ、この国の人のために…
その理由を今から説明させて頂きたいのです。
この御山を御譲り頂けませんでしょうか」
阿様はニヤリと笑って言いました
「山の頂上で頂きたいのです
頂けませんでしょうかって…
それ凄いおもしろいっ、
あっはははははっ!
ツボだ、ひぃ笑いすぎて、
腰が痛い、いたたた。
まずい、ちょっと逆に引っ張って…」
サクヤという名の女の子が
しょうがないなという顔をして
鳥のオッサンの背中を押しました。
そうすると不思議と
つった阿様の腰が治りました。
「あれ、逆にひっぱるんじゃないのか?
凄いナ、手前に押すと治るのか…
僕は知らなかったよ」
サクヤちゃんは
カワイイ仕草で笑って言います。
「あははっ、三大王様っ
後ろに、つって痛いのに
さらに後ろに引いたら
余計に痛くなりますよぉ」
カワイイ子の、こういう反応に
非常に弱かった初代阿様は
冗談が死ぬほど面白かったコトと
不覚にも笑い攣ってしまった所を
優しく助けてもらった恩と
ただ単純に好みのタイプの
女の子だったので
住処にしていた山を
プレゼントしてあげました。
「え、本当に良いのですか?」
サクヤちゃんが吃驚して言うと
阿様は、あははと言いながら
答えました。
「ああ、良いんだ良いんだ。
僕が気に入ったのだから。
山だろうが何だろうが、
あげちゃうよん
僕はタダ此処に居ただけで
何もしてなかったのだから。
しょっちゅう人のために何かするような
タイプではないからねぇ。
気まぐれなんだよ仙人は、
だから君みたいな
素敵な子が此処に居た方が
花があって絶対善いよ。
それに僕は永遠の隠居だ
何処にいようが
存在意義は無いから
大して変わらないみたい
それじゃ二代目っ、頑張ってね」
阿様が羽根を広げ
頂上から飛び立つと
山頂で美しい娘が
立ち尽くしている光景が遠のく
衣から伸びる白い手で
髪を掻き揚げ
笑顔で見送ってくれた。
遠くで呟く声が聴こえた
「随分とアッサリ
何処かへ往ってしまわれましたね。
譲って欲しい理由、
全然訊かないなんて…
折角色々と、考えてたのに。
ふふっ、昔の山のヌシって皆、
ああいう感じなのかしら…」
翼で天空を覆うと先代阿様山大王は
大声で楽しそうに笑った
「ぬはははっ!
それは、もちろん仙人だから、
気分次第で、アレなのだ!
また立ち寄ることがあったら宜しく」
完
悠久、まほろばなりし地に、
不死の阿様山大王という仙人が居りました。
山の頂で、いつも通り
昼寝をしていると
かわいい女の子が
声をかけてきました。
「貴方様が阿様でございますか?
わたくしは此処で、
とある役目を果たさねばならないのです。
無理にとは申しません。
ただ、この国の人のために…
その理由を今から説明させて頂きたいのです。
この御山を御譲り頂けませんでしょうか」
阿様はニヤリと笑って言いました
「山の頂上で頂きたいのです
頂けませんでしょうかって…
それ凄いおもしろいっ、
あっはははははっ!
ツボだ、ひぃ笑いすぎて、
腰が痛い、いたたた。
まずい、ちょっと逆に引っ張って…」
サクヤという名の女の子が
しょうがないなという顔をして
鳥のオッサンの背中を押しました。
そうすると不思議と
つった阿様の腰が治りました。
「あれ、逆にひっぱるんじゃないのか?
凄いナ、手前に押すと治るのか…
僕は知らなかったよ」
サクヤちゃんは
カワイイ仕草で笑って言います。
「あははっ、三大王様っ
後ろに、つって痛いのに
さらに後ろに引いたら
余計に痛くなりますよぉ」
カワイイ子の、こういう反応に
非常に弱かった初代阿様は
冗談が死ぬほど面白かったコトと
不覚にも笑い攣ってしまった所を
優しく助けてもらった恩と
ただ単純に好みのタイプの
女の子だったので
住処にしていた山を
プレゼントしてあげました。
「え、本当に良いのですか?」
サクヤちゃんが吃驚して言うと
阿様は、あははと言いながら
答えました。
「ああ、良いんだ良いんだ。
僕が気に入ったのだから。
山だろうが何だろうが、
あげちゃうよん
僕はタダ此処に居ただけで
何もしてなかったのだから。
しょっちゅう人のために何かするような
タイプではないからねぇ。
気まぐれなんだよ仙人は、
だから君みたいな
素敵な子が此処に居た方が
花があって絶対善いよ。
それに僕は永遠の隠居だ
何処にいようが
存在意義は無いから
大して変わらないみたい
それじゃ二代目っ、頑張ってね」
阿様が羽根を広げ
頂上から飛び立つと
山頂で美しい娘が
立ち尽くしている光景が遠のく
衣から伸びる白い手で
髪を掻き揚げ
笑顔で見送ってくれた。
遠くで呟く声が聴こえた
「随分とアッサリ
何処かへ往ってしまわれましたね。
譲って欲しい理由、
全然訊かないなんて…
折角色々と、考えてたのに。
ふふっ、昔の山のヌシって皆、
ああいう感じなのかしら…」
翼で天空を覆うと先代阿様山大王は
大声で楽しそうに笑った
「ぬはははっ!
それは、もちろん仙人だから、
気分次第で、アレなのだ!
また立ち寄ることがあったら宜しく」
完




