2008/03/29
護睡庵創作童話「老人の木」
護睡庵創作童話「老人の木」 分割連載 2話め
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夜八時頃になると
公園の電燈に
虫たちが
集まり始めました。
「台風が凄かったですね」
「今年はもう来ないで
ほしいものだよ」
夜の会話に
花が咲き始めた頃
遠くの方から
人間の足音が
聴こえてきました。
公園の細かい砂を踏み
サクサク地面に足跡つけて
水たまりと、ぬかるみの中
パシャパシャ水を跳ね上げて
男の子は一人で走って来ると
おじいさんの木の根元に
腰をおろします。
「ぼうや、こんな時間に
どうした?
台風の日に外に出たら
危ないよ」
その子供に、
おじいさんの声は
聴こえていないようでした。
子供は空を見上げて
紫色の雲を
遠くに眺めました。
深いため息一つ
まるいひとみにナミダを溜めて
口から零れた言葉が
おじいさんの耳に聴こえてきます。
「公園の大きな木って言ってたから
ここに来るはず…」
おじいさんの木の幹の雨粒が
ふたつみっつと流れて往くうちに
小さな女の子が
遠くから走ってきました。
「こんな日にゴメンなさい。
台風が来るなんて
知らなかったの」
男の子は
その可愛い顔を見ると
笑顔でこたえました。
「いいよ、約束どおり
来てくれたんだから」
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つづく
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夜八時頃になると
公園の電燈に
虫たちが
集まり始めました。
「台風が凄かったですね」
「今年はもう来ないで
ほしいものだよ」
夜の会話に
花が咲き始めた頃
遠くの方から
人間の足音が
聴こえてきました。
公園の細かい砂を踏み
サクサク地面に足跡つけて
水たまりと、ぬかるみの中
パシャパシャ水を跳ね上げて
男の子は一人で走って来ると
おじいさんの木の根元に
腰をおろします。
「ぼうや、こんな時間に
どうした?
台風の日に外に出たら
危ないよ」
その子供に、
おじいさんの声は
聴こえていないようでした。
子供は空を見上げて
紫色の雲を
遠くに眺めました。
深いため息一つ
まるいひとみにナミダを溜めて
口から零れた言葉が
おじいさんの耳に聴こえてきます。
「公園の大きな木って言ってたから
ここに来るはず…」
おじいさんの木の幹の雨粒が
ふたつみっつと流れて往くうちに
小さな女の子が
遠くから走ってきました。
「こんな日にゴメンなさい。
台風が来るなんて
知らなかったの」
男の子は
その可愛い顔を見ると
笑顔でこたえました。
「いいよ、約束どおり
来てくれたんだから」
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つづく




