「夜と太陽」

01



 この世界の何処にでも
 時間と空間の宮殿が存在する…
 その宮殿にはそれぞれに、
 ありとあらゆる存在が暮らしているらしい。

 そのひとつ、太陽の宮殿に住まうのは我らのよく知る存在。

 静かな部屋の片隅で太陽が鏡の前に座っていると、
 美しい夜が黒衣を蒼くなびかせて訪れた。
 そして、夜は太陽に向かって
 優しく、ささやいた…

「あなたに訊きたい事が在ります。
 暗闇から見る星達はとても美しい、私はそれを見るのが楽しみです。
 光は闇から見た時が一番美しいと思うのですが…
 光から見た闇は美しいのでしょうか。それとも、恐ろしいですか?」

 太陽は紅い髪を梳かしながら、流れるように返事をかえす。

「私から見た闇というのは、そうね…
 例えるならばそれは人間における大気、魚に対する海の様なもの。
 私達は闇に包まれて光を放っているのです。

 闇は私のゆりかご…
 そして、夢でもあるのです。
 眠りながら見るものと心に描く理想、両方の意味ですよ。
 だから、恐ろしいほどに美しいのです」
 
 夜は笑顔で太陽に別れを告げた。
 夜が立ち去り、いなくなった後に太陽は独り考え込む…
 櫛をテーブルに優しく放り投げると
 疑問の言葉を地球に向かい、囁く様に投げかける。

「人はなぜ闇を恐れ、憎むのでしょうか
 それに我々に対して悪意を持っている者もいる。
 人間の起こす、くだらぬ悪しき事などと
 闇が同一のものと浅ましくも考えているのでしょうか。

 私が愛する闇を厭わしく思うのならば…
 私が人間を照らす必要が何処にあると考えますか。
 闇に敬意を払わない者は永遠に光を観ることは叶わず
 逆もまた然りとは考えませんか。
 考えるのが得意だったでしょう、人間は。

 もう照らすの疲れちゃったから止めちゃおうかなー。
 まあ、半分は冗談だけどね」

 地球は笑いながら、太陽の話を聞いていた。
 そうして太陽に語りかけた。

「何を言ったところで彼らが耳を傾ける事は無いさ、
 ただね…
 嫌なモノも良いモノも、いずれは崩れ往くよ。
 だから、一緒にやってゆくうちに徐々に良くなるだろ。
 まあ、その時に我々が、この姿で無い事は確かだけど…」

 太陽は背中が痛くなるほど大笑いして
 部屋のベッドに寝転がると、ひとことつぶやいた。

「ありがとう、機嫌が治ったから
 今日は休みにする。雨を宜しくたのむわ」

 地球は雨を降らせると太陽の宮殿を見つめて考えた。

(いつもこの調子だ、仕事が増えて困るじゃないか!)
 



fin

テーマ: 自作小説 -  ジャンル: 小説・文学
by 護睡庵(春山信玄)  at 19:43 |  短編小説 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑

短編童話「魔法のオッサン」


昔々、どこかの異次元空間に、意味不明なオッサンがいました。

オッサンは魔法好きなので、ホムンクルスを造ろうと思いました。

原料を調べましたが、そんなの近くに無いので
変な薬草はミョウガで
教会のパンを使用するのは
罰当たりなので、ウドンで代用しました。

パンもウドンも原料は同じです。

入れ物も土鍋しかありません。

ネギとニンジンと季節の野菜を入れて、
コンロに火をつけて
だしを取って、酒と醤油に
砂糖と塩で味を調えます。

何故か、ホムンクルスは出来ないで
美味しい鍋焼きウドンが完成しました。

オカシイと思いながらも夜食に食べると…

次は油みりん魔術を試みました。

働いてお金を少し貯めたので6ヶ月位は問題ありません。
読むのは、お祖父ちゃんが毎朝よく歌っていた
般若心経にして、お香なんて線香でイイじゃないかと
オウチャクをしました。
銀の皿の代わりに銀のスプーン
オッサンは寿命百二十年の人類に
大人も子供も無い
実際の所、
みんな140億歳以上じゃないかと勝手に思っていたので
媒体は自分でイイことになりました。

6ヶ月が過ぎて、守護天使じゃなくて
観自在菩薩が出てきちゃいました。
当初の計画と違ったのですが
まあ、美人なのでイイかなと
オッサンは思いました。

テーマ: 自作小説 -  ジャンル: 小説・文学
by 護睡庵(春山信玄)  at 20:52 |  短編小説 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑

短編童話「シンデレラボーイ」

ある異次元空間に護睡庵春山という
お爺さんが好きなオッサンが住んでいました。

フリーターなのか主夫なのか
ワカラナイ、オジサンですが
実は魔法愛好家だったのです。

新しいジャンルの魔法使いを提唱するオッサンは
自らを魔法仙人と呼んでいました。

ドン・キホーテみたいで
周囲の人は困っているかと思うでしょうが…
やることはやっているので
法事の時、親戚は
特に何も言いません。



遠い昔のこと

水といわれれば、水を汲み
夕飯といわれたら、夕飯を並べ
皿といわれれば、皿を洗い
鼻紙を投げられて、ゴミ箱へいれてと言われ

朝、家族を起こすとカーテンを開けないと
ダメでしょと言われ

シンデレラみたいだ…
ビビデバビデのひとは実在しないし
ガラスの靴は履いたとたんに壊れるだろうし

「じゃあ、ダメもとで魔法使いでもやっとくか」

そう思ったオッサンは適当に調べました。

見ていくうちに魔法使いは肩が凝るので 
魔法仙人ということにして責任放棄をしました。

次に困ったのは
陰陽師や魔法使いは接近戦に弱いので
武士や騎士が必要ですが
最近、そういうのはイナイから
自分でやるしかありませんでした。

幸い時代劇も、騎士物語も北欧神話も好きだったので
ヴァルハラに流れてきた用心棒の浪人をめざして
頑張ることにしたのでした。

特に敵もイナイので、歳をとったら低い山に
護睡庵を造って住み。

ホームページに、くだらない小説でも書いていると

寿命の尽きる10年前に
世界中の美女が10人くらい慕って来るはず
だってインターネットだもん☆

確信を持っているようですが、根拠はマッタクありません。

さてさて、果たして護睡庵の願いは叶うのでしょうか…

おしまい☆
テーマ: 小説 -  ジャンル: 小説・文学
by 護睡庵(春山信玄)  at 22:23 |  短編小説 |  comment (0)  |  trackback (1)  |  page top ↑
理想のお爺さん
FC2カウンター
最新の記事
カテゴリー
プロフィール

護睡庵(春山信玄)

Author:護睡庵(春山信玄)
魔法仙人協会
(定員1名)
最高無責任者
護睡庵不動駘蕩春山
別名 春山信玄☆

ちょっくら大変な世の中を
空想のファンタジックな
感覚でとらえてみて
普段のなんでもないような
生活を新鮮な気持ちで
どの程度楽しめるのかな
というブログです☆

現実にいる人物とは
一切、関係ありません。
フィクションブログです☆

職業 主夫 件 アルバイト
 
哲学者もどき


現在のテーマ
「時間の経過を楽しむ」

趣味 絵、音、読書、散歩、
食事、睡眠、お茶、その他

健康生活指針
楽観空想現実主義☆

月別アーカイブ
縦書き小説
興味があったらどうぞ☆
にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ にほんブログ村 小説ブログへ にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ FC2ブログランキング
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

押すと何か喋るよ☆

リンク
ブログ内検索
御用の方はどうぞ☆

妖怪仙人のページ
abanataku.jpg
RSSフィード
おすすめ☆

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ